120年ぶりに民法が改正されます。改正民法によって不動産投資にはどのような影響が出てくるのでしょうか?今回は民法改正が与える不動産投資への影響を改正条文の解説をしながらご説明していきたいと思います。

1 原状回復義務の明文化

賃貸借契約で最も多いトラブルが原状回復義務に関するものです。旧民法には原状回復に関する規定がなかったため、新民法では第621条で規定されることになりました。

 

① 原状回復義務の明文化

 

新民法では「賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。」と賃借人の原状回復義務が明文化されています。

 

② 賃貸借経営への影響

ⅰ 経年劣化による原状回復は大家さんが負担する

新民法では「通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く」と規定されています。このため経年劣化による壁紙の張替え費用や床の交換費用は請求できなくなります。

 

ⅱ 故意や過失による損害や損傷は賃借人が負担する

新民法では「その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。」と規定されているため、故意や過失による損害や損傷は賃借人が原状回復をする義務が生じます。

2 敷金の明文化

① 敷金の明文化

新民法では「敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。)」と敷金が明文化されています。

「いかなる名目によるかを問わず」とあることから、保証金・建設協力金なども敷金として扱われることになります。

 

② 賃貸借経営への影響

ⅰ 敷金の返還義務

敷金は賃貸借契約が終了し、物件の明け渡しが行われたときに原則として全額返還しなければいけなくなります。

 

ⅱ ハウスクリーニング代

多くの物件で物件の退去時にハウスクリーニング費用を差し引いた敷金が返還されています。しかし、新民法移行後はハウスクリーニング代金を敷金から差し引くことはできなくなります。

3 連帯保証人の責任範囲

① 連帯保証人の責任範囲

新民法では「極度額を定めなければ、その効力を生じない。」と規定されています。ですから、賃料の6か月分などと限度額を規定し、連帯保証人の責任範囲の確定を行う必要があります。

 

② 賃貸借経営への影響

ⅰ 連帯保証人の契約事項は「無効」

現在行われている連帯保証人の契約事項は「無効」になります。なぜなら現行の賃貸借契約における連帯保証人は保証人を設定しているだけで、補償範囲の定めがないからです。よって今後は連帯保証人と契約書を新たに取り交わす必要があります。

また法人の場合限度額の定めの対象外になります。今後は保証人ではなく、保証の上限の定めのない保証会社の利用を検討したほうがよいかもしれません。

 

ⅱ 2か月以内の通知が必要になる

賃貸人はその期限の利益の喪失を知った時から2ヶ月以内に保証人に対して通知する必要があります。2ヶ月以内に通知をしない場合、賃貸人は遅延損害金を保証人に一切請求で気なくなります。

 

ⅲ 保証人への報告義務

保証人から賃貸人に対し家賃の支払い状況などに関する問い合わせがあった場合、賃貸人は保証人に問い合わせに応じる義務が発生します。

 

新民法ではなにかとトラブ素が発生しやすい連帯保証人の制度は存続することになりました。しかし連帯保証人に関する保護規定も多く盛り込まれています。不動産経営においては「連帯保証人の責任範囲の確定」の条件も入居者の確認事項になってくるため、今後保証会社の活用が促進されると考えられます。

 

今回は民法改正が与える不動産投資への影響を改正条文の解説をしながらご説明してきました。新民法では連帯保証人の制度も大きく変更されるため、現行の連帯保証人との契約自体が「無効」と判断されてしまいます。早急に契約内容を変更するか保証会社の利用を検討していきましょう。

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