
マイナス金利を採用している現状の日本では住宅ローンの金利が下落傾向にあります。そこで住宅ローンの支払い利息を節約するために住宅ローンの「借り換え」を検討している方も多いのではないでしょうか?
今回は住宅ローンの借り換えは本当にお得なのかを借り換え費用や借り換え効果を検証しながらご説明していきたいと思います。
1 住宅ローンの金利推移
参考:ARUHI住宅ローン HP
https://www.aruhi-corp.co.jp/rate/transition/
上記は住宅ローンのフラット35の金利推移です。右肩下がりに住宅ローンの金利が下落してきていることが分かります。
また2016年に1.0%を割ってから、住宅ローンの金利が横ばいになっていることもお分かりいただけると思います。このまま2016年の安値を割らない場合、住宅ローンの金利の下落も「底打ち」する可能性が高いことが分かります。
このため「まだまだ下がる」と住宅ローンの借り換えを躊躇していた方も本腰を入れて住宅ローンの借り換えを検討する時期に来ていると考えます。
2 住宅ローンの借り換えにかかる費用
住宅ローンの借り換えには様々な費用が必要になってきます。ここでは住宅ローンの借り換えにかかる費用をご紹介していきたいと思います。
① 保証料
銀行が保証会社を利用する際に保証会社に支払う保証料です。現在多くのネット銀行などでは保証料が無料のところも多く存在します。また保証料がかかる都市銀行などの保証料は借入金額の0.2%になっています。
② 事務手数料
現在多くのネット銀行などでは事務手数料が借入金額の2.0%です。また都市銀行などの事務手数料は借入金額に関係なく一律30,000円になっています。
③ 印紙税
借入金額により2,000円~60,000円。
③ 抵当権の費用
抵当権設定費用 | 抵当権抹消費用 | |
登録免許税 | 抵当権設定額(=借入額)の0.4% | 土地・建物各々1個あたり1千円 |
司法書士への報酬 | 6~10万円程度 | 件数1件につき2万円程度 |
基本的に印紙代と抵当権にかかわる費用は同じですので、保証料と事務手数料で借り換えにかかわるコストが変わってきます。
3 住宅ローンの借り換え効果
実際に住宅ローンを借り換えした場合、どのくらいの金額が節約することができるのでしょうか?ここでは実際に借り換えによる住宅ローン借り換えの効果がどのくらいになるのかを検証していきたいと思います。
(例)借り換え金額1,000万円、15年払いの場合(借り換え前金利3.0%)
① ネット銀行の場合~楽天銀行の場合
参考:楽天銀行 HP
https://www.rakuten-bank.co.jp/home-loan/lp/sem2.html?sclid=o_hl-p-p-005624&accessRoute=SC012
ネットバンクの楽天銀行は業界最低水準の金利に設定しています。楽天銀行で住宅ローンを借り換えした場合。
ⅰ 借り換え手数料
事務手数料 | 1,000万円×1.08%=108,000円 |
保証料 | 金利に含まれる |
抵当権設定・抹消費用 | 194,000円 |
印紙代 | 10,000円 |
合計 | 312,000円 |
ⅱ 借り換え効果
・借り換え前の支払い
総支払金額 12,430,358円
支払い利息 2,430,358円
月々の返済金額 69,058円
・借り換え後の支払い
総支払金額 10,979,898円
支払い利息 979,898円
月々の返済金額 60,999円
・借り換え後の支払いに手数料を加味した支払い金額
総支払金額 11,291,898円
借り換えを行うと、1,138,460円も節約できることになります。
② 都市銀行の場合~三菱UFJ銀行の場合
ⅰ 借り換え手数料
保証会社事務手数料 | 32,400 円 |
保証料 | 119,820 円 |
抵当権設定・抹消費用 | 122,640円 |
印紙代 | 10,000円 |
合計 | 284,860円 |
ⅱ 借り換え効果
・借り換え前の支払い
総支払金額 12,430,358円
支払い利息 2,430,358円
月々の返済金額 69,058円
・借り換え後の支払い
総支払金額 12,044,520 円(利息15年固定 2.55%)
・借り換え後の支払いに手数料を加味した支払い金額
総支払金額 12,329,380円
借り換えを行うと、100,978円節約できることになります。
住宅ローンの借り換えは借り換えの諸費用だけではなく、金利がいくらなのかも重要であることがお分かりいただけると思います。
楽天銀行も三菱UFJ銀行も15年固定金利と同条件で検索しました。楽天銀行は1.26%、三菱UFJ銀行は2.55%と金利の違いが借り換え効果に大きく影響を与えることになっています。
今回は住宅ローンの借り換えは本当にお得なのかを借り換え費用や借り換え効果を検証しながらご説明してきました。結果的にマイナス金利の今借り換え効果はかなり大きいことがお分かりいただけたと思います。
マイナス金利のうちに住宅ローンの借り換えを検討してみてはいかがでしょうか?