
1.はじめに
中古の戸建てを購入することを検討しているけれども、どこに注意して選べば良いかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
新築と違いすでに、建っており、実際に他の誰かが住んでいた物件のため、購入時に注意すべき点がいくつかあります。
今回は、中古の戸建て物件を購入する際の注意点だけでなく、覚えておくべき単語などもまとめてみましたので、チェックしてみてください。
2.中古戸建て物件を購入する際に注意すべきポイント
それでは実際に中古戸建てを購入する際の注意点について解説していきます。
ⅰ、借入可能額
中古住宅とはいえ、大きな買い物となるので、多くの方は、住宅ローンを組んで購入することとなるでしょう。
住宅ローンには審査があり、その方の返済能力があるかどうかを確認されるため以下の点が確認されます。
・勤続年数
・年収
・個人の信用情報
そして、自分がいくら借り入れることができるかを金融機関が判断してくれます。
自分がいくら借り入れることができるのかを事前に知っておくことにより、住宅選びの予算を把握できます。
心配であれば、物件を探す前に事前審査を依頼すると良いでしょう。
Ⅱ、耐震性・内装・住宅設備
中古物件においては、建物の耐震性をきちんと確認する必要があります。
なぜなら、1981年(昭和56年6月1日)に新しい耐震基準が適用されたため、検討している物件の建築確認取得日が、この年以降になっているか確認する必要があります。
合わせて、2000年にも耐震基準の大きな改定があったため、その年以後かどうかも合わせて確認しておくと良いでしょう。
また、中古物件は、痛みや損傷が激しい場合があるため、
・キッチンや浴室、洗面所やトイレなどの水回り
・壁紙やクロス
などに痛みがあるかどうかも確認しましょう。
さらに床下においてもシロアリが発生していないか確認するため、業者に頼んで見せてもらうと良いでしょう。
また、備付けの給湯器やガスコンロに関しても、製造年月日を確認し、10年以上経過しているのであれば取り替えを検討しましょう。
Ⅰ、居住環境
検討している物件の室内に、十分な明るさがあるか確認する必要があります。
住まいの室内に明るさがなければ、室内にいても安らぎを得ることが難しくなる場合があるからです。
このため、以下の点を確認しておくと安心です。
・隣家との距離や方角
・太陽の光を遮る建物はないか、
・プライバシーの観点などから、ずっとカーテンを閉めておく必要がないか
また中古住宅の場合、断熱性が十分でないものがあり、 夏や冬の光熱費が高くなるだけでなく、結露が発生し、カビが生えることにより、ダニが増えてシックハウス症候群を引き起こす可能性があります。
検討中の住宅に結露やカビが発生していないかを確認するようにしましょう。
Ⅱ、周辺環境
物件の周辺環境の確認はとても重要です。
なぜなら、自分が長年に渡って住んでいく物件なので、周辺環境で少しでも気になることがあると、快適なマイホームライフを送ることが難しくなるからです。
周辺の環境でまず確認すべきなのは、住む街の雰囲気です。
自分がこれからその家で暮らしていくことをイメージしながら、物件の周辺を散策し、
・最寄駅の距離やルート
・周辺のスーパーやコンビニなどの商業施設
・学校、幼稚園、保育所、公園、病院、市役所などの公共施設
などの生活動線を確認し、自分の生活に適した環境かどうか判断すると良いでしょう。
3.中古戸建てを購入する際に覚えておきたいキーワード
Ⅰ、瑕疵担保責任
新築住宅などを購入し、引き渡しをするときには知り得なかった重大な欠陥(雨漏りなど)があった場合、住宅の販売業者や、建築を請け負った業者に、損害賠償を請求できる場合があります。
この知り得なかった重大な欠陥のことを「隠れた瑕疵」といい、隠れた瑕疵に対して責任を追うことを「瑕疵担保責任」といいます。
ただしこの瑕疵担保責任は、基本的に新築住宅のみの制度で、中古戸建ての場合は、売主が宅地建物取引業者の場合に、2年以上の瑕疵担保責任を負うおこととなっています。
しかし実際は、売主が個人の場合は瑕疵担保責任はない場合が多く、あったとしても、数ヶ月のみという契約事例も多く存在します。
ⅱ、建物診断(インスペクション)
住宅診断ホームインスペクションとは、自分が購入しようとしている、物件に隠れた瑕疵などがないかを診断してくれるサービスです 。
このサービスを利用すると住宅に関する専門家の第三者が、住宅の劣化具合や不具合の有無メンテナンスの必要性などを診断してくれます。
購入前に、建物の状態を第三者の客観的な視点で判断してもらうことができるため、購入するかどうかの意思決定が行いやすくなります。
4.まとめ
中古戸建住宅を購入する注意点は、自分がそこで長年に渡ってくらしていけるかどうかをしっかり確認必用があるということです。
マンションに比べて戸建て住宅は、すぐに買い手がつかない可能性もあることから、居住年数が長くなる傾向にあります。
このため、検討している物件に住んだ場合の生活をイメージしたり、外部調査などを使って慎重に物件の状態を判断したりして、購入することが特に大事であると言えます。